長崎電気軌道の車両紹介

はてなダイアリーの下書きとして数年間眠っていた記事を引っ張り出してきました。

長崎に来てから7年の間、長崎の路面電車を撮り続けてきました。
車両の紹介もかねて写真の一部を放出したいと思います。

画像多めなので、重いかもしれません。「続きを読む」からご覧ください。



形式は古い順に並べてあります。
車両の主要諸元(しゅようしょげん)などは長崎電気軌道のHPを参考にしています。
長崎電気軌道HP ttp://www.naga-den.com/

現役車両

毎日の運用に就いている車両です。


201・202形(200形)

▲201形209号(西浜町)

▲202形202号(浜口町~松山町)

★主要諸元
製造:日立製作所/日本車輌 昭和25年
自 重:15.8t
定 員:76名
車体長×幅×高:11,000×2,270×3,600mm(パンタ折り畳み時)
長崎電気軌道初のボギー車で、主力車両。60年以上、1台の廃車もなく走り続けている。
しかし、最近は運用から外れて休車となっているものも出ている。


▲207号は、毎年夏にビール電車として走る

★在籍車両
201形:201.203.205.207.209(5両)
202形:202.204.206.208.210(5両)


★追記(2015.5)
2014年3月以降、廃車、海外譲渡になる車両があります。
また、204号は現在花電車に改造されています。


211形

▲211形212号(蛍茶屋)

▲211形216号(蛍茶屋)

★主要諸元
日立製作所製造。基本性能は200形に同じ。
200形の増備車。

★在籍車両
211~216(6両)


300形

▲300形302号(新中川町)

▲300形307号(賑橋~西浜町)

★主要諸元
日立製作所製造 基本性能は200形に同じ。
200・211形の増備車。

★在籍車両
301~310


360形
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▲360形362号(諏訪神社前)

▲360形367号(浜口町~松山町)

★主要諸元
製造:日本車輌 昭和36年
自 重15t
定 員:82名
車体長×幅×高:11,000×2,270×3,830mm(パンタ折り畳み時)
昭和36年に製造されたことから360形と命名された。
最近、362の写真のように前照灯をひと回り小さなものに交換する改造がされ、顔のイメージが変わっています。


★在籍車両
361~367


370形

▲370形374号と375号(諏訪神社前)
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▲370形376号(出島)

★主要諸元
製造:日本車輌 昭和37年
自 重15t
定 員:80名
車体長×幅×高:11,000×2,270×3,830mm(パンタ折り畳み時)
360形のマイナーチェンジ車。尾灯の位置が変わっている。
昭和37年に製造されたことから370形と命名された。
360形と同じく、最近は前照灯が小さなものに交換されています。

★在籍車両
371~377


500形
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▲500形503号(諏訪神社前)
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▲500形505号(千歳町)


★主要諸元
製造:ナニワ工機 昭和41年
自 重15.3t
定 員:82名
車体長×幅×高:11,000×2,270×3,640mm(パンタ折り畳み時)
中扉に引き戸を採用しており、角張ったデザインが特徴。

★在籍車両
501~506


★追記(2015.05)
2014年3月をもって、501号は廃車されました。


2000形

▲2000形2001号(西浜町)

▲同じく2000形2001号(浦上車庫内)

★主要諸元
製造:アルナ工機 昭和55年(1980年)
自 重17t
定 員:64名
車体長×幅×高:11,700×2,250×3,780mm(パンタ折り畳み時)

路面電車の技術革新をねらい、「軽快電車」として開発された車両。
メンテナンス上の理由などから、現在は予備車のような扱いで、運用に就くことはほとんどない。
当初は2両が在籍していたが、2002号は老朽化を理由に2010年、廃車された。2001号は延命工事が施されたが、車庫の奥でねむっていることが多い。

▲2002号は老朽化のため廃車された

▲2001号もほとんど運用につかない
★在籍車両
2001

★追記(2014,8)
2014年3月をもって、2001号も廃車されました。


1200形

▲1200形1201号(浜口町~松山町)
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▲1200形1204号(公会堂前)

★主要諸元
製造:アルナ工機 昭和57年
自 重15.5t(1200A形は15.8t)
定 員:72名
車体長×幅×高:11,000×2,250×3,830mm(パンタ折り畳み時)
車体更新車(古い電車の台車を使い,車体だけを新しく製造)として製造された。
1201号以外は改修工事(直接制御→間接制御、側面行先表示器の大型化など)が行われ乗り心地が良くなっている。また、それらの車両は1200A形となっている。


▲改修工事前の側面行先表示器

▲大型化された行先表示器


★在籍車両
1200形…1201
1200A形…1202~1205


1300形

▲1300形1301号(公会堂前~諏訪神社前)

▲1300形1302号(諏訪神社前)

★主要諸元
製造:アルナ工機 昭和62年~平成元年
自 重15.3t
定 員:53名
車体長×幅×高:11,000×2,250×3,830mm(パンタ折り畳み時)
外観は1200形と同じだが、台車やパンタグラフに差異が見られる。

★在籍車両
1301~1305


1500形

▲1500形1506号(諏訪神社前)
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▲1500形1503号と1505号(住吉)

★主要諸元
製造:アルナ工機 平成5年~平成9年
自 重15.5t
定 員:53名
車体長×幅×高:11,700×2,250×3,830mm(パンタ折り畳み時)
この形式から、パンタグラフがこれまでのZ形パンタから、シングルアーム式となった。
ライトの形状の変更や窓の大型化など、1300形とは大きく異なったデザインとなっている。
1507号は改修工事(直接制御→間接制御、側面行先表示器の大型化など)が行われ乗り心地が良くなっている。また、その車両は1500A形となっている。

▲改修工事前の側面行先表示器(1503)

▲大型化された行先表示器(1507)

★在籍車両
1500形…1501~1506
1500A形…1507


1700形
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▲1700形1701号(公会堂前)

▲1700形1702号(浦上駅前)

★主要諸元
製造:アルナ工機 平成11年
自 重15.5t
定 員:53名
車体長×幅×高:11,700×2,250×3,830mm(パンタ折り畳み時)
車体新造車。外観は1500と似ているが、ドアの幅が広くなっている。

★在籍車両
1701,1702


1800形

▲1800形1801号(賑橋~西浜町)
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▲1800形1803号(公会堂前)


★主要諸元
製造:アルナ工機 平成12~14年
自 重15.8t
定 員:55名
車体長×幅×高:12,140×2,300×3,740mm(パンタ折り畳み時)
車体新造車。長崎電気軌道で初めて間接制御の搭載や尾灯のLED化、大型の側面行先表示器の設置などを行った。
中ドアの折り戸が2枚になったので、人が2人並んで乗れる広さになり、乗車時間の短縮につなげている。

★在籍車両
1801~1803


3000形

▲3000形3001号(西浜町)
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▲3000形3002号(公会堂前)

★主要諸元
製造:アルナ車両 2003~2006年
自 重:22.0t
定 員:63名
車体長×幅×高・・・・・15,100×2,300×3,740mm(パンタ折たたみ時)
長崎電気軌道初の超低床車両。ドアがこれまでの折り戸から、プラグドアになった。
この形式から、制御方式は直接制御や間接制御からIGBT-VVVFインバータ制御となり、駆動方式は吊り掛け駆動から直角カルダン駆動になった。
真ん中に挟まっている車体は、車輪がないフローティング車体。
ブレーキは回生・発電ブレーキと電動ばね式ブレーキ(5km/h以下)などを備えており、ドアの開閉やブレーキングなど、運行には圧縮空気を一切使わない。(エアーレス化)



★在籍車両
3001~3003


5000形
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▲5000形5001号(蛍茶屋)
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▲5000形5002号(諏訪神社前)

★主要諸元
製 造:アルナ車両 2011~2012年
自 重:22t
定 員:73名
車体長×幅×高:16,300×2,300×3,740mm(パンタ折たたみ高さ)
3000形に続く超低床車で、長崎電気軌道の最新型の車両。
エアーレス化した前形式とは違い、ブレーキは電気指令式空気ブレーキなどを備えている。
また、ブレーキ時にはブレーキランプが点灯し、周囲の車にブレーキングを知らせる。


▲ブレーキングに連動してブレーキランプが点灯する(中央部、横長の2灯)

★在籍車両
5001・5002



他都市からの譲渡車両

長崎の路面電車は、他の都市から譲り受けた車両も多くあります。
どの電車も支障なく自力走行が出来る状態で保存されています。
これらの車両が定期運用に入ることは非常に稀ですが、イベント時や貸切運用などで年に数回走行します。

700形(元東京都交通局2018号)

▲700形701号(浦上車庫前)
東京都交通局の都電杉並線と本線で運用された後、路線縮小に伴い長崎へ譲渡された。
床は木製で、冷房装置は無い。
前面方向幕の照明は、蛍光灯ではなく電球が並べてある。


600形(元熊本市交通局171号)

▲600形601号(浦上車庫前)
熊本市交通局から譲渡。
床は木製で、冷房装置は無い。200形によく似ています。
内部照明は蛍光灯ではなく、チューブランプ。


150形(元箱根登山鉄道)

▲150形151号(浦上車庫内)
箱根登山鉄道から譲渡。冷房装置は無い。



1050形(元仙台市電117号)

▲1050形1051号(浦上車庫内)
この1050形という形式は、
「仙台(セン代)」の「1000」と、譲渡された昭和50年代にちなんだ
「50」から来ています。
長崎に来た後、再び仙台に戻って保存されている「里帰り」をした車両もあります。


160形(元西日本鉄道153号)
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▲160形168号(諏訪神社前)
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▲同じく168形168号(公会堂前)
この電車は明治44年(1911年)に川崎造船所で製造され、製造から100年以上経過している、現役では日本で最も古い路面電車車両です。
この電車は今でも鉄道の日路面電車の日など、年に数回特別運行で走ることがあります。


車内。イスはカチカチでした。


運転台。イスはありません


もともとは都市間の輸送をしていた160形。
高速運転に対応するために在来より大きくつくられた車輪。台車とモーターの一部は今でも明治時代のものなんだそう。


初期のトロリーポールから換装されたビューゲル。
この車両は唯一パンタグラフではなくビューゲルから集電しています。
160形(元西日本鉄道153号)


乗り降りするドアは手動です。
ワンマン運転には対応していないので、車掌さんが乗務します。
紐を引いて「チンチン」とベルを鳴らすと発車の合図です。


長崎には、このような多彩な路面電車が走っています。
画像が多い上に長い記事でしたが、ありがとうございました。